ブログ

健康は足元から!足の状態が身体に与える影響を解説

ブログをご覧下さりありがとうございます。

パーソナルジムDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessのアスレティックトレーナー、坂内です。

 

パースソナルジムDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessではレンタルシューズに

Altra(アルトラ)

というブランドのシューズを採用しています。

我々スタッフも毎日、愛用しているものです。

 

 

レンタルシューズを選ぶにあたって

身体に関することは妥協ができない!

という思いで

様々なブランドのシューズを試し履きし、

 

「靴の形に足を合わせるのではなく、

足の形に合わせて設計された靴」

 

「裸足に限りなく近い状態でいられる靴」

 

という我々のこだわりに合致したのがAltraでした。

 

なぜそこまで靴にこだわるのか?

 

それは、足は身体と地面が接する唯一の部位で、

地面からの感覚を伝える重要な役割を果たしていること、

そのため足の状態が他の身体に大きな影響を与えること、

その足に靴が与える影響も無視できないからです。

 

このブログでは

・足の構造

・靴が足に与える影響

・靴を選ぶ際のポイント

 

を解説していきたいと思います。

 

足の構造

 

足には大小28個の骨、33の関節、

そして19の筋肉で構成されています。

 

足には3つのアーチがあります。

いわゆる“土踏まず”は、内側縦アーチと呼ばれ、

他に外からは分かりづらいですが外側縦アーチ、

足を前から見ると認められる横アーチが形成されています。

 

これらの縦横のアーチは

地面からの衝撃を吸収し、足や膝、股関節などへの

負担を軽減し、身体を前へ押し出す

衝撃吸収推進力の役割を果たしているといわれています。

 

足部の筋肉を見ていきましょう。

足には内在筋外在筋が存在し、

内在筋は26の大小さまざまな足の骨を繋いでいる筋肉で、

ふくらはぎなど、足首をまたいで足部に繋がっている筋肉は

外在筋と呼ばれています。

 

 

内在筋はいわゆるインナーマッスルの様な

役割をしていて足部を安定させるために

非常に重要な筋群ですし、

外在筋は足首や足指の動きに関与する、

よりダイナミックな動きを作る筋肉となっています。

 

身体の土台ともいえる足は、

この内在筋と外在筋が相互に関わり合いながら

安定性や動きを生み出しています。

 

ですので、たとえば内在筋の活動が低下し、

足部の安定性がうまく確立できないと、

ふくらはぎや前脛骨筋(=スネ)といった外在筋が

その不足分を補おうと過剰に収縮し、

パンパンい張ったり疲れやすくなる…

といった問題が起こったりします。

 

靴が足に与える影響

たくさんの筋からなる足部ですが、

mechanoreceptor(メカノレセプター)

という、

「地面が凸凹している」だとか

「傾いているからバランスを取ろう」

など、刺激を感知するセンサーが足裏に分布していて、

その数は104あるといわれています。

Kennedy & Inglis(2002).

 

Kennedyら(2002)が行った研究では、

足底のメカノレセプターの活動を記録、

その分布を上の図のように記しました。

 

研究では、振動と圧を感知するセンサーが

全体の70%以上を占めていること、

足に荷重が無かった場合、メカノレセプターの活動は

見られなかったことがあげられています。

 

このことから、足底のメカノレセプターは

足が地面と接触していることを感知するために

非常に重要であることがわかります。

 

これら足底のメカノレセプターへの感覚入力が低下すると

姿勢の安定性を制御する機能などが低下し、

足部への感覚の刺激はバランス能力を向上させると

されています。

 

とある研究では、

足の裏を15分、氷水に漬けたて足裏の感覚を無くしたグループと、

15分冷やし、15分回復時間を与えたグループに分けて

ジャンプを測定したところ、

足裏を冷却したグループは冷却前より3.1cmジャンプ力が落ち、

冷却→休憩したグループは冷却前より1.9cmジャンプ力が落ちたそうです。

このことから、下肢の爆発的な力を生み出すためには

足裏からの感覚入力も欠かせないということが分かってきます。

 

現在、様々なシューズが市場に出回っています。

近年では前と後ろの高低差が大きいシューズや、

クッション性に優れた厚底のシューズなどが並んでいますが、

足の健康という面から見ると、果たしてこれらは

ベストなシューズと言えるのでしょうか?

 

靴を選ぶ際のポイント

「クッション性の高いシューズは膝などの関節を衝撃から守ってくれる」

といって靴底の厚いスニーカーなどを履かれている方を良く見かけますが、

いくつかの研究ではクッション性のあるシューズは関節を保護する

効果はあまりないばかりか、クッションが厚いことで

膝や股関節、腰への衝撃が増すという報告もあります。

特に、推進力を重視した後(かかと)と前(つま先)の高低差の大きいシューズは

人体の自然な接地のメカニクスが崩れ、膝や股関節へ伝わる衝撃が

より大きくなってしまうと考えられています。

 

ただ、これらクッション性の高いシューズや厚底シューズを

否定しているわけではありません。

ここぞというレースの時などは推進力をサポートするような

シューズを着用することは一つの手段です。

 

ですが、足部、そしてそこから繋がる身体の健康や機能を考えたとき、

足部の感覚が失われにくく、素足でいるときに限りなく

近い状態を作り出せるシューズを履くのがベストではないかと

我々は考えています。

 

 

以下が、私たちDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessがシューズを選ぶ際に

考慮し、アメリカスポーツ医学会でも推奨されている要素です。

 

1. 靴の中で足の指が自然に広がることができる

→先ほどの図にもあるように、感覚センサーである

メカノレセプターは足指にも多く存在しています。

足趾の筋をしっかりと使えるようにするためにも、

指先が縮こまってしまうような先細りの靴は避けたいところです。

 

2.かかととつま先の高低差がゼロ(に限りなく近い)である

→上で示したように、後ろと前の高低差が大きいシューズ、

厚底のシューズは人間の自然な接地のメカニクスを

変えてしまいます。前後の高低差のないシューズにすることで

歩行や走行時により身体にとって自然な着地となり、

各関節への負担を減らすことができると考えます。

アメリカスポーツ医学会では、前後の高低差は6mm以内が

理想だとしています。

 

3.ニュートラルな靴である

→足本来の機能を高めるため、

安定性を高めたり足部の動きをコントロールしたりと

余計な補助機能がついていないかという点も留意します。

 

4.軽量である

→男性なら300g以下、女性なら220g程度の軽さの靴が理想です。

 

これらの点を全てクリアしていたのが、

私たちが今回レンタルシューズとして選んだAltraでした。

 

 

これは「マラソンで自己ベストを出したい」人には

必ずしも当てはまらないかもしれません。

しかし、足本来の機能を高めるという点を

重要視した際、上記の点は考慮に入れてシューズ選びをしたいもの。

 

たかが靴、されど靴。

是非、参考にしてみて下さい!

 

参照:

 

American College of Sports Medicine (2014). Selecting Running Shoes.

https://www.acsm.org/docs/default-source/files-for-resource-library/running-shoes.pdf

 

Caminita M. et al. (2020).Seonsory-to-Motor Overflow: Coling Foot Soles Impedes Squat Jump Performance. Frontiers in Human Neuroscience. 9(14).

 

Kennedy PM., and Inglis JT (2002). Distribution and Behavior of Glabrous Cutaneous Receptors in Human Foot Sole. Journal of Physiology. 538(3).

 

Kerrigan et al. (2009). The effect of running shoes on lower extremity joint torques. PM&R: The Journal of Injury, Function, and Rehabilitation. 12(1).

 

大杉ら(2013). 足底への感覚刺激が足底感覚および足趾把持力に及ぼす影響. Japanese Journal of Health Promotion and Physical Therapy 3(3).