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かかと・足裏の痛みに効く!足底腱膜炎のセルフケアを紹介

ブログをご覧いただきありがとうございます。

パーソナルジムDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessのトレーナーの坂内です。

 

「デスクワークで座りっぱなしから立ち上がる時にかかとが痛い」

「立ち仕事をしていると足裏がだるくなる」

「ランニングの時にかかとが痛くなる」

「朝ベッドから下りた瞬間に足の裏がビキっと痛む」

 

こんな症状が当てはまる方は、足底腱膜炎かもしれません。

 

足の裏に痛みを抱えている人は、意外と多い印象があります。

実際、アメリカのデータですが、毎年100-200万人は

かかとや足裏の痛みで病院を受診するそうです。

 

スポーツをしている、していないに関わらず誰もがなり得る

足底腱膜炎ですが、正しく介入すれば、

8割は保存療法(手術という最終手段以外の方法)で

治るといわれています。

 

足を地面に着けるたびに痛みが生じる足底腱膜炎。

なってしまうとスポーツはもちろん日常生活にも支障が出ます。

 

この記事では

・足底腱膜炎とは

・足底腱膜炎のリスク要因

・足底腱膜炎に対するセルフケア

 

をご紹介します。

 

足底腱膜炎とは

足底腱膜とは?

 

足底腱膜とはコラーゲンやエラスチンなどの成分からなる

とても強い結合組織の束で、足の裏に扇状に広がっていて

足のアーチを支えています。

 

この足底腱膜は、表層ではかかとの骨(踵骨)と中足骨頭についていて、

内側・中央・外側に分けられることがあります。

深いところでは短趾屈筋という、足の指を曲げる筋肉に繋がっています。

 

 

この、表層中央の足底腱膜が一番厚く、そして強い組織で

足底腱膜炎にはこの中央の組織が主に関わっていると言われています。

 

この足底筋膜は

・衝撃吸収=クッション

・足のアーチのサポート

の役割を担っていて、

 

強く、厚い足底腱膜が足底の表層にあることで

地面に足を接地した際にクッションの役割を果たし、

衝撃を吸収しています。

 

また、足のアーチをサポートしている足底腱膜は、

足が地面に着いて伸ばされると、

バネの様に元の状態に戻ろうとするので、

それが足を蹴りだす力・推進力として働きます。

 

 

足底腱膜炎≠炎症?

足底腱膜炎は英語では「Plantar Fasciitis」といい、

「~itis」は炎症を意味します。その名の通り

足底腱膜に炎症が生じて痛みが発生すると言われていますが、

研究では必ずしも組織に炎症は生じていない、という報告もあります。

 

最近では、局所の炎症よりも

足底腱膜への度重なる張力(ストレス)による

コラーゲンなどの繊維成分の過剰構築、

つまり組織の変性によって

「足底腱膜炎」は起こっているという見解があります。

 

足底腱膜炎の症状

足底腱膜炎になると、主に足底腱膜が走行する土踏まずや

足底腱膜がくっついているかかとの前方内側に

痛みが生じます。

 

そしてよくあるのが、

・朝起きてベッドや布団から起き上がるために

地面に足をついた瞬間に痛みが生じる

・長時間座っていて急に立ち上がったり、歩き出した時に痛む

・長時間立っていると痛くなってくる

 

といった症状です。

上記のようなことがあれば、足底腱膜炎になっている可能性があります。

 

足底腱膜炎のリスク要因

足底腱膜炎を引き起こす主たる原因は

足底腱膜が硬くなり、肥厚することにあります。

足底腱膜が硬直してしまうと、先に挙げた本来の役割である

クッション機能が果たせなくなるため、

足を接地した際の衝撃を分散できず、その負荷が

足底腱膜にかかってきてしまいます。

 

また、最近の研究では

局所の血流の低下=循環の低下も

足底腱膜炎に関与していると言われています。

 

解剖の写真などを見ると、

実際の足底腱膜は蜘蛛の巣のように

足底に張り巡らされていて、血管や神経は

その間を縫うように通っています。

 

 

それが足底腱膜が硬直したり、肥厚してしまうことで

足底の奥の組織の圧が高くなり、

血流の低下へと繋がっていきます。

 

そうすると組織の修復や再構築も滞り、

ますます足底腱膜は硬く、厚くなり

本来の機能を果たせなくなってしまいます。

 

では、どんなことが主に足底腱膜炎を引き起こす要因となるのでしょうか?

①足首が硬い・腓腹筋(ふくらはぎ)が硬い

足首が硬いと、その曲がらない分を補うために

足を内側に倒して(膝の外反、股関節の内旋)代償するため、

足底腱膜へ必要以上のストレスがかかると考えられます。

 

 

②運動量の多さ・長時間の荷重

足底腱膜炎の原因の多くを占めるのが

オーバーユース=使いすぎ です。

習慣的にランニングをする人や

ジャンプ動作の多い競技をしている人は

足底腱膜炎になるリスクが高いと言われています。

また、工場労働者のように仕事で長時間立っている人なども

足底の循環が低下し、足底腱膜の硬直に繋がっていく

可能性があります。

 

③BMI(体格指数)が高い

体重が多いほど下肢にかかる負荷は増加します。

肥満は足底腱膜炎のみならず、

多くの怪我の要因となっていることが分かってきています。

 

④扁平足・ハイアーチ(甲高)

足にアーチがない・少ない扁平足の人は荷重の際に

衝撃を吸収することができず、足底腱膜が常に

伸ばされた状態となり、足底腱膜に負担がかかります。

 

 

また、アーチは高ければ良いというものでもなく、

ハイアーチの人は足底腱膜の緊張が高く、

柔軟性が低いため衝撃吸収がうまく出来ないので、

足底腱膜炎になってしまう可能性があります。

 

足底腱膜炎に対するセルフケア

足底腱膜炎は正しく介入すれば悪化を防ぐことが出来ますし、

(再発)予防のためにもセルフケアは是非行っていきたいところです。

以下、有効とされているセルフケアをご紹介していきます。

 

①ストレッチ

痛くなり始めた後1週間~4カ月ほどの

短期の痛みに対しては、

足底腱膜やふくらはぎのストレッチを行うと

痛みが軽減されることが望めます。

 

 

足底腱膜のストレッチは、上の写真の様に

足の指を自分の方へ向かって反らせるようにします。

足裏が伸びている感じがしたらそのまましばらく維持します。

 

 

ふくらはぎのストレッチは、

足を前後に開き、後ろ足のかかとを地面から

離さないようにしながら、膝を前に倒していきます。

後ろ足のふくらはぎにストレッチを感じたら、

そのまましばらく維持します。

 

②足底板(インソール)

短期または長期的な足底の痛みを軽減させるのに、

土踏まずをサポートしてくれるような既製品、もしくは

オーダーメイドの足底板、つまり靴の中敷きは有効だとされています。

アーチをサポートしてくれる足底板を入れることで、

足底腱膜への衝撃を緩和することが狙いです。

 

 

③テーピング

足底の痛みを軽減するために、

プロネーション=足首が内側に倒れること

を予防するテーピングを行うことで、

足底版と同様に、土踏まずを作ってあげます。

そうすることで痛みの軽減につながると言われています。

テーピングの方法は様々ありますが、

下の動画の様なテーピングが効果的だと思います。

 

まとめ

足底腱膜炎についての基礎知識と

リスク要因、

そしてセルフケアの方法をお伝えしました。

 

足底は生活している以上、常に地面と接する部位なので

一度なってしまうととても厄介な症状です。

上記のような日々のセルフケアは早期の介入や予防に

非常に効果的であるとされていますが、

痛みが悪化する前に、まずは医療機関を受診し、

可能であればセルフケアに加えて、適切な運動療法や

治療的介入を組み合わせるのがおすすめです。

 

医療とフィットネスが融合したDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessでは、

医師による診断と、それに即したトレーニングプログラムを

提供することが可能となっています。

一日でも早く治し、日々のパフォーマンスを落とさないようにしたい。

そんな方は、是非Dr. KOMEDA Relaxation & Fitnessのご利用をご検討下さい!

 

 

参照:

 

Hamstra-Wright, K. L., Huxel Bliven, K. C., Curtis Bay, R., and Aydemir, B. (2021). Risk Factors for Plantar Fasciitis in Physically Active Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Health, 13(3).

 

Martin, R. L. et al. (2014). Heel Pain – Plantar Fasciitis: Revision 2014. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 44(11).

 

Miller, L. E. (2015). Chronic Plantar Fasciitis is Mediated by Local Hemodynamics: Implications for Emerging Therapies. North American Journal of Medical Sciences. 7(1).

 

Sahin, N., Ozturk, A., and Atici, T. (2010). Foot Mobility and Plantar Elasticity in Patients with Plantar Fasciitis. Acta Orthopaedica et Traumatologica Turcica. 44(5).

 

Van Leeuwen, K. D. B., Rogers, J., Winzenberg, T., and Van Middlekoop, M. (2015). Higher Body Mass Index is Associated with Plantar Fasciopathy/’Plantar Fasciitis’: Systematic Review and Meta-Analysis of Various Clinical and Imaging Risk Factors. British Journal of Sports Medicine. 50.

 

Wydow, N., Jong, A. D., Rial, K., Tucker, K., Collins, N., Vincencino, B., Russel, T., and Crossley, K. (2016). The Relationship of Foot and Ankle Mobility to the Frontal Plane Projection Angle in Asymptomatic Adults. Journal of Foot and Ankle Research. 9(3).