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テニス肘の原因、予防や改善方法について解説!

ブログをご覧下さりありがとうございます。

パーソナルジムDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessのトレーナー、坂内です。

 

整形外科と連携しているDr. KOMEDA Relaxation & Fitnessでは、

クリニックからの紹介で

 

「カバンを持つと肘が痛い」

「ドアノブを捻ると肘に痛みが走る」

「長時間デスクワークをしていると手が怠くなる」

 

というような方の相談を受けることがあります。

上記のような症状がある方は、テニス肘の可能性があります。

 

テニス肘は正式名称を

「上腕骨外側上顆炎」

といい、テニスをする方に好発するため、別名

テニス肘、と名付けられていますが、実際は

日常生活や仕事での動作が原因で

テニスをしていなくてもなる方はとても多いです。

 

このブログでは

・テニス肘の原因

・テニス肘の症状

・テニス肘の予防、改善のためのセルフケア

をお伝えします。

 

テニス肘とは

テニス肘は正式名称を

「上腕骨外側上顆炎」

といい、その名の通り、上腕骨という二の腕の骨の

外側に痛みが生じる疾患です。

 

厚生労働省によると、テニス肘で

医療機関を受診する人は年間約19,000人(平成29年度)ほどで、

30代ー50代の中年世代に生じやすいと言われています。

 

 

似た症状で「ゴルフ肘」というものもありますが、

ゴルフ肘は「上腕骨内側上顆炎」と呼ばれ、

肘の内側に痛みが生じます。

 

テニス肘は、手首や指を伸ばす働きをする

・短橈側手根伸筋

・長橈側手根伸筋

・総指伸筋

などの筋肉が上腕骨にくっついている部分(=外側上顆)

において痛みが生じますが、痛みが前腕や手首まで

広がることもあります。

これらの筋肉が繰り返し酷使されることで

微細な損傷が引き起こされます。

そうすると筋肉が骨に付着する部分=腱に

も細かな損傷が起こり、それが重なると

組織の変性が生じてしまいます。

 

「上腕骨外側上顆“炎”」という名ですので

テニス肘は外側上顆という局所に炎症が起こる疾患です。

 

しかし必ずしも炎症が起こっているとは限らず、

・コラーゲンやエラスチンなど繊維成分の過剰構築

・小血管の増加

・神経線維の増加

そしてこれらが増加することによって神経が過敏となり、

痛みが生じやすくなるともいわれています。

 

テニス肘の原因

 

テニス肘になる主な原因は以下の通りです。

 

・テニスやバドミントンなどラケットスポーツ

・腕を酷使する仕事

・未熟なフォーム

・加齢

 

 

テニス肘は手首や肘の使い過ぎが主な原因で

起こると言われています。

別名の由来となったテニス選手に好発するのは、

手首を返す/ラケットを振るという動作を

何度も何度も行うことで腱にストレスがかかるためです。

 

また、初心者など経験の浅い選手の場合、

ラケットの正しい面にボールを当てられずに

ボールを打った時の衝撃が倍増して腱に負荷としてかかったり、

体を使って打たない、いわゆる「手打ち」になり、

前腕の筋肉により負担がかかるケースがあります。

 

そして、テニスなどのラケットスポーツ以外でも

・重いものを持ちあげる運送業や介護職の方

・重いフライパンを振る主婦や料理人

・長時間デスクワークや書き物をする方

などは、先に挙げた前腕の筋肉を多用するため、

テニスをしていなくても発症しやすいと言われています。

 

 

テニス肘は30-50代でよく発症することから、

加齢も原因の一つと言われています。

 

これは年を重ねるにつれて徐々に筋力が落ちていくことに加え、

腱の強度やしなやかさが落ちてくるためだと考えられます。

強度やしなやかさが失われると、同じ負荷でも

損傷は起きやすくなるでしょう。

特に手首や肘を酷使しているわけでもないのに発症するのは、

加齢による筋力や腱の強度の低下も要因の一つかもしれません。

 

テニス肘の症状

 

テニス肘になると現れる症状は、次のようになります。

・手首をひねる動作

・手首を反らせる動作

・ものを掴む動作

などで肘の外側~前腕にかけて痛む

 

テニスの動作に加え、日常生活の動作の例では

・ドアノブを捻る

・タオルを絞る

・タイピングやマウス操作

・ペットボトルを開ける

・フライパンを振る

・荷物を持ち上げる

…といった動作で痛みが出やすいです。

 

 

これらは日常でよくする動作のため、

一度テニス肘になってしまうとなかなか治りにくく、

日常生活にも支障が出る可能性があるので

早期のケアと予防が大切になってきます。

 

テニス肘の予防、改善のためのセルフケア

 

テニス肘は他の慢性的な痛みと同様、

まずは保存療法を選択肢として優先します。

保存療法を半年以上続けても改善されない・

悪化するなどの場合には手術というオプションを考えます。

 

テニス肘の改善、もしくはならないための予防として

以下のような対策やセルフケアを紹介します。

 

①安静・動作の調整

 

テニス肘は伸筋群の使い過ぎが

ひとつの大きな要因となっています。

ですので、肘に痛みが出始めた時点で、

可能であるなら手首や肘を使う頻度を減らし、

筋への負荷を軽減させてあげることが重要です。

 

②フォームの見直し

 

実際にスポーツをしている場合は

肘に過度に負担がかかるような使い方をしていないか

コーチや専門家にフォームをチェックしてもらう、

どうしても肘への負担が避けられない動作を行う場合は

練習量を調整するなどといった

対策が必要になってくるかもしれません。

 

③サポーターの装着

 

まずは安静や動作量の調整が大切だと分かってはいても、

仕事柄、腕を使わざるをえないという方は多いと思います。

そんな時はテニス肘専用のサポーターの着用

がおすすめです。

 

装着方法はサポーターの説明書に沿って着ければ良いですが、

基本的には痛みのある外側の肘の骨の出っ張りから

指2-3本分くらい手寄りに巻くと良いとされています。

そうすることで筋肉が骨に付着している「上腕外側上顆」

にかかる負荷を軽減させてあげることが出来ます。

 

サポーターは根本的な痛みの解決にはなりませんが、

どうしても肘を使わなければいけない人は

試す価値のあるものだと思います。

 

④ストレッチ

 

ストレッチはテニス肘の予防はもちろん、

痛みの緩和のためにも是非行いたい項目です。

無理やり伸ばそうとせず、痛気持ちいい範囲で

ゆっくりと2-30秒ほどかけて伸ばしてあげます。

 

・前腕のストレッチ①

1.テーブルなどに手のひらを上にして、

指先が自分の方を向くように手をつきます

 

 

2.もう片方の手で上から押さえて手のひらが床から

離れないようにしながら、体を後ろに引いていきます

 

 

・前腕のストレッチ②

前腕のストレッチ①を、手のひらを下にした状態で行います

 

 

⑤筋力トレーニング

 

長引くテニス肘には、腱や筋肉に徐々に負荷をかけ、

強くしてあげることが必要となってきます。

1kgほどの軽いダンベル、ない場合はペットボトルや缶詰などで

代用し、ゆっくりと確実に動作を行いましょう。

各動作、それぞれ10回から始めてみて下さい。

 

・伸筋群のトレーニング

1.手の甲を上に向け、テーブルに前腕を乗せます

 

 

2.手首はテーブルから出るようにします

3.重りを持ち、手首以外は動かさないようにしながら

手首をかえします。

 

 

4.そのまま10秒キープし、ゆっくりと

元の位置へ戻します。

 

 

・屈筋群のトレーニング

伸筋群のトレーニングを手のひらを上にした状態で

同様に行います

 

 

 

・手首ひねり

1.重りを持ち、親指が上を向くようにします

 

 

2.手首を可能なところまで内側に倒し、ゆっくりと戻します

 

 

3.今度は手首を可能なところまで外側に倒し、ゆっくり戻します

 

 

 

 

まとめ

テニス肘の症状や原因、セルフケアをご紹介しました。

セルフケアはテニス肘にならないための

予防という観点からも重要で、効果的とされていますので

以前テニス肘になったことがある方や、

日頃から腕を酷使し、テニス肘になるリスクがある方は

ぜひ、日々のセルフケアとして取り入れてみて下さい。

 

 

参照:

Hoogvliet. P. et al. (2013). Does Effectiveness of Exercise Therapy and Mobilisation Techniques Offer Guidance for the Treatment of Lateral and Medial Epicondylitis? A Systematic Review. British Journal of Sports Medicine. 47.

 

Knott. L. (2021). Tennis Elbow and Golfer’s Elbow. https://patient.info/doctor/tennis-elbow-and-golfers-elbow

 

Ljung. B. O. et al. (1999). Substance P and Calcitonin Generated Peptide Expression at the Extensor Carpi Brevis Muscle Origin; Implications for Etiology of Tennis Elbow. Journal of Orthopaedic Research. 17(4).

 

The National Health Service. 10 Minute Tennis Elbow Exercise Stretch & Strengthen.

 

厚生労働省 平成29年患者調査(傷病分類編). https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h29syobyo.pdf