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熱中症予防に大切な水分補給について解説します
ブログをご覧下さりありがとうございます。
医療法人直営のリラクゼーションとフィットネスの複合施設「Dr.KOMEDA Relaxation & Fitness」 です。
今年の夏も過酷な暑さが予想されます。
環境省が公開している「熱中症リスクカレンダー」の過去5年間の統計やこれまでのデータを見ても、
梅雨があけてくる7月中旬~後半にかけては熱中症の発症リスクに大きく関係する「暑さ指数(=WBGT)」がぐっと高くなります(下記参照)。
環境省「夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020」より
熱中症予防対策の一つとして挙げられるのが水分補給です。
今日は熱中症予防のために必要不可欠な水分補給について解説します。
水のはたらき
暑くなると人間は汗をかきます。
汗が皮膚の表面から蒸発する時に熱を放出することで、体温を下げ、体温上昇を防いでいます。
汗の原料は血液中の水分がその殆どを占めているので、発汗で失われた水分を適切に補給しないと、血液がどろどろになって生命維持に必要な栄養や酸素、老廃物の運搬にも支障をきたす恐れが出てきます。
また、人間は尿や便からも水分を排泄していますし、呼気や粘膜など目に見えない・発汗していると感じない水分の喪失(=「不感蒸泄」)もあるため、汗を大量にかいていなくても水分補給は意識して行うことが肝要です。
水分が不足するとどうなるか
発汗などで体内の水分が失われ、それを正しく補わないと、いわゆる「脱水症」「水分不足症」の状態となり、様々な症状が現れてきます:
・のどの渇き
・肌のほてり、紅潮
・めまいや頭痛
・全身の倦怠感
・嘔吐
・胃腸のけいれん/腹痛
人間は体重の1%の水分が失われるだけで体温調節機能が上手く働かなくなってくるといわれていて、体重の3%以上の水分喪失では熱中症のリスクが格段に上がると言われています。
更に、「のどが渇く」という感覚は体重の2%の水分が失われると増大します。「のどが渇いてから水を飲むのでは遅い」と言われるのはこのためです。
また、汗の原料である水分が不足すると発汗率が下がります。
汗は体温を下げるためにかくものなので、発汗率が落ちてしまうと体温を効率的に下げることが出来なくなってしまって、熱中症になるリスクも上がると考えられていて、運動中では体内の水分が発汗によって1%減るごとに深部体温は0.15℃~0.2℃上昇するという報告もあります。
汗をかいて水分が不足する=血液が減少するため、一回の心臓の拍動あたりの血液がポンプされる量(=拍出量)が減り、その分心拍数が上昇するという現象も起こってきます。体内の水分が1%減少するごとに心拍数が3~5回/分上昇すると言われているため、心臓への負担も増え、スポーツをしている場合はパフォーマンスの低下にもつながる可能性が出てきます。
どのくらい水分を取ればよいのか
それでは熱中症やパフォーマンス低下予防、ひいては健康のために一日にどれくらいの水を飲めば良いのでしょうか?
これは発汗率や身体活動レベルなどの個人差があるため明確な数字が出しにくく、2.3Lから3.5Lと大きな幅があります。
また、水分の摂取源は飲み物だけではなく食事や体内で作られる水(=代謝水)などがあるため、飲料として摂取するべき水分は、だいたい1.2L~1.5L/日と言われています。
・妊娠/母乳育児をしている方
・暑熱環境にいる方
・スポーツをしている方
・風邪/風邪から回復中の方
などは意識していつもより多く水分を摂取することが求められます。
水分を取るタイミング
摂取した水分は小腸から吸収されて血液へと取り込まれますが、一度に吸収できる水分量は約200ml-25omlと限りがあり、そしてその吸収にも30分程度の時間がかかるため、実は飲んですぐに吸収はされていないのです。そのため、ガブ飲みではなく、こまめに水を飲むことが推奨されます。
前述したように、のどが渇いてからでは既に脱水状態になっているため、
コップ1/2程度の量の水分を1時間に1回は摂取するのが良いでしょう。もちろん、運動や暑熱環境で作業をしている人はより積極的な水分補給が必須となります。
まとめ
水分補給は熱中症対策のために重要な要素の一つです。
日頃からのどが渇かなくても水を飲むようにするなど、意識的・積極的に水分補給をすることが熱中症予防だけでなく、日々の健康管理に大きく関わってきます。
Dr.KOMEDA R & Fでは健康維持に欠かせない、この「水」にもこだわって、一般の小売店では販売していない「Blue Spring」という水を店頭販売しています。お水が苦手、というお客様からも飲みやすいと好評を頂いております。
Dr.KOMEDA R & Fをご利用の際は、是非一度、試してみて下さい!
参照:
McDermott B. P. et al. (2017). National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Fluid Replacement for the Physically Active. Journal of Athletic Training. 52(9).
環境省. 熱中症健康保険マニュアル 2022.
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
厚生労働省. 「健康のため水を飲もう」推進運動 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html