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その正月太り、ちゃんと戻ります!
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
Dr.KOMEDA Relaxation & Fitness です。
2023年も早くも2週目の終盤に差しかかり、
お正月気分も抜けてきたころだと思います。
毎年1月になるとよく耳にするのが
「正月太り」。
友人や恋人とクリスマスケーキを食べたり
家族でおせち料理やお雑煮を楽しんだり…
年末年始は何かと食べ過ぎてしまい、
体重が増えてがっかりという方は多いと思います。
もちろん食べ過ぎは
しないに越したことはありませんが、
お餅やおせちなどの食べ過ぎによる体重の増加に関しては、
過度に心配しなくても大丈夫。
今日は短期間の体重増加について
解説していきます!
脂肪と炭水化物の過食
体重が増加する大前提として、
体が消費するカロリー < 食事などから取り込むカロリー
というのがあります。消費しきれなかったカロリーが
体脂肪として蓄えられていきます。
およそ7,000kcalのカロリーが蓄積されると
1kg体重が増加すると言われています。
ではそのカロリーの源が脂質か、炭水化物かで
何か違いはあるのでしょうか。
Hortonら(1995)は、余剰なカロリーが
炭水化物か、脂質から来ているかで、
すなわち食事の成分構成の違いが
体組成調整にどういった影響を与えるかを調査しました。
研究では9人の瘦せの男性、7人の肥満の男性を集め、
・14日間は脂肪の多い食事を摂らせ、
・4週間の「リカバリー期間」を設け、その後
・更に14日間、炭水化物の多い食事を摂らせる
という実験を行い、体重や体脂肪などの体組成や、
エネルギー代謝などの変化を記録しました。
※先に脂肪の多い食事・炭水化物の多い食事を摂るかの
順番は被験者によってランダム
結果
脂肪の多い食事でも炭水化物の多い食事でも、
初めの1-7日の間に体重は激増しましたが、
特に炭水化物の過食による体重増加が顕著でした(下図)。
●…脂肪の多い食事
○…炭水化物の多い食事
しかし、14日目では、脂肪食、炭水化物食グループとも
体重増加にほぼ差はありませんでした。
一方、体脂肪量を見てみると、
炭水化物の過食よりも脂肪の過食の方が、体脂肪率が
増加していることが分かりました。
エネルギー代謝に目を向けると、
脂肪の多い食事ではエネルギーの消費量は
あまり増加しなかったのに対して、
炭水化物の多い食事は一日のエネルギーの消費量が
大きく増加している事が分かります(下図)
黄色…炭水化物の多い食事
青…脂肪の多い食事
また、実験の期間中、脂肪食では
91-95%の余剰エネルギーが体に蓄積されることも分かりました。
一方、炭水化物食では、
初日こそ約90%の余剰エネルギーが蓄積されたものの、
7日目、14日目になるとそれぞれ77%,83%と
体に蓄積されるエネルギーは減少する結果となりました。
また、体内の栄養素のバランスを見てみると、
脂肪食はそのほとんどが体脂肪として蓄積されています。
炭水化物食に関しては、初めの数日は
体脂肪の蓄積が低いものの、日数が経つと
炭水化物が体脂肪として蓄積されていき、
14日目には体脂肪の蓄積は
脂肪食とあまり大きな差はなくなってしまっています(下図)
●…脂肪の多い食事
○…炭水化物の多い食事
実験結果から見えてきたこと
まず、過剰なエネルギーは体に蓄えられるという事。
これは、脂肪食でも炭水化物食でも同じです。
しかし、この研究の結果を見ると、
脂肪過多によるエネルギー過剰の方が
より体脂肪の蓄積が助長されることが分かりました。
しかし初めの7日間では、
炭水化物の過食の方が体重増加は大きくなっています。
これは何故か?
炭水化物を構成しているのは「糖質」ですが、
この糖質は「グリコーゲン」として主に筋肉に貯蔵されます。
そして、グリコーゲンは保水力がとても高く、
1gのグリコーゲンに対して3-4gの水分が結合するといわれています。
そのため、高炭水化物食で体重がぐっと一度に増えたのは、
グリコーゲンの量が増加し、
それに伴って水分が引き込まれたためだと考えられます。
ですので、
低糖質ダイエットで短期間で大幅な減量が出来るのは
体内のグリコーゲンが減少→体内の水分も減少する。
水分が失われた分体重が軽くなるだけで、体脂肪の減少によるものではありません。
また、炭水化物過食の期間は
過剰に摂取した分、エネルギー消費も増加しています。
対して、脂肪の過食はエネルギーの消費量に
顕著な増加はありませんでした。
そして脂肪の多い食事は過剰エネルギーの
その殆どが体脂肪として貯蔵されていく。
以上のことから、年末年始などの
短期間なら、お餅やおせち料理など炭水化物中心の食事で
体重が増加してしまった分に関しては、
あまり慌てなくても、いつも通りの生活に戻れば
体重もおのずと減ってくると考えられます。
ただし、研究結果でも出ているように、
長期間過食をしてしまうと、
炭水化物でもエネルギー消費も落ちてしまいますし、
体脂肪も蓄積されやすくなっていきます。
あまりいつまでもだらだらと食べ過ぎることはしないで、
イベントを楽しんだら、
バランスの良い食事・適度な運動を心がけましょう!
参照:
Horton et al. (1995). Fat and Carbohydrate Overfeeding in Humans: Different Effects on Energy Storage. American Journal of Clinical Nutrition. 62.