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リラクゼーションで大活躍!アロマオイルの香りの力について解説します

ブログをご覧頂きありがとうございます。

Dr.KOMEDA Relaxation & Fitnessのアスレティックトレーナー、坂内です。

 

Dr.KOMEDA R&Fはフィットネスとリラクゼーションが

一つの施設に集約されています。

 

そのため、今まで縁遠かったアロマオイルにも

触れる機会が増えました。

実際にアロマケアをご利用されたお客様が

「すごく良く眠れた」

「心がとても落ち着く」

…というような感想を一様に仰るのを目の当たりにし、

(もちろん手で触れられることでのリラクゼーション効果もあると思いますが)

香りの力に驚かされています。

 

今回のブログはそんな香りが心身に与える効果について解説していきたいと思います!

 

人が香りを感じる仕組み

 

視覚や聴覚、痛覚など体の感覚情報は

視床という、脳のほぼ中央に位置する部位を通り、

受け取った感覚情報を分析・統合して大脳皮質へと伝えます。

視床はいわば「感覚のゲート」なのですが、

嗅覚だけは、このゲートを通らず、独自のルートを使って

大脳へと到達しています。

 

香りは鼻腔を通り、鼻の粘膜にある

嗅上皮(きゅうじょうひ)という部位に到達します。

この嗅上皮の大多数を占めるのが、においを受容する

嗅神経(きゅうしんけい)で、この嗅神経から信号が伝達され、

脳に「においを感じた」という感覚が起こるといわれています。

 

社会福祉法人 恩賜財団済生会より引用

 

 

香りが自律神経に与える影響

 

こうして嗅神経から伝達された香りの情報は

大脳辺縁系という、情動や記憶などの機能に関係する部位に

到達します。そして更に、自律神経や内分泌系の働きを支配する

視床下部へと伝達されていきます。

そのため、香りが自律神経に作用し、そして香りの種類によって

交感神経(興奮モード)と副交感神経(リラックスモード)

に影響を与えるのではないか、という可能性が出てくるのです。

 

 

 

交感神経は身体を興奮モードへと導くので

心拍数や呼吸、血圧の上昇や消化運動の抑制が起きます。

反対に、副交感神経が働くとリラックスモードになるため、

心拍数、呼吸数、血圧は低下し、消化運動が活発になります。

 

アロマセラピーやリラクゼーションで使用する香りは、

「癒される」「頭がしゃきっとする」「落ち着く」

といった主観的な感覚だけではなく、

実際にこういった交感神経や副交感神経に影響を与えているのか?

それを検証した研究がいくつかあります。

 

リラックス効果・抗ストレス効果

 

Niijimaら(2007)はアロママッサージでもよく使用される

グレープフルーツとラベンダーオイルが自律神経に対して

どのような影響を及ぼすのかを検証しました。

 

 

結果、グレープフルーツオイルは交感神経が活性化され、

脂肪分解や熱産生が促される一方、

ラベンダーオイルは交感神経の活動を抑え、

胃や消化管の活動を調整する迷走神経の活動を

促進するということが分かりました。

 

 

香りによって気分がシャキッとしたり、心が落ち着いたりするのは

ただの主観だけではないということですね。

 

 

癒しの香りとしてよく使われるラベンダーですが、

このラベンダーの香りにはうつや不安感を抑える作用があることが

実験で示されています。

 

そしてラベンダーだけではなく、

「木や森の香り」成分に多く含まれる

αピネンという香りにはストレスを抑制する効果があることが

科学的にも分かってきました。

 

 

ヒノキやパイン(松の葉)などに多く含まれるαピネンですが、

このαピネンを嗅ぐと、BDNF(脳由来神経栄養因子)という

脳内の神経細胞の成長や、記憶や学習に大きく関わる物質の

遺伝子発現が増加したそうです(動物実験)。

BDNFの発現や機能の低下はうつ病の発症と関連性が深いと言われているため、

αピネンを含む香りは、脳内のBDNFの発現に影響を与えることで

ストレスの抑制効果をもたらしているのではないかと考えられます。

 

痛みの緩和

 

そして人の身体と向き合う立場として注目したいのが

痛みに対する香りの効果です。

 

研究では、鎮静効果のあるラベンダーオイルを

使用したアロマセラピーは、

特に侵害受容性疼痛の軽減に効果的だと分かりました。

※侵害受容性疼痛…「切り傷」「打撲」「変形性膝関節症」など

いわば身体に危険を伝える痛みと捉えられています。

 

 

また、慢性的な痛みよりも急性の痛みに対してより効果があり、

月経痛など産婦人科系の痛みにも効果的であるということが

報告されています。

 

まとめ

・香りの情報は独自のルートを経由して脳へと届く

・香りは自律神経に影響を与え、種類によって

交感神経が活性化されたり、抑制されたりする

・香りには脳内の神経細胞の成長に関わる物質の発現に

影響を与えることでストレスを抑制する効果がある

・香りには痛みを軽減する作用がある

 

 

こうしてみると、アロマオイルを用いたリラクゼーションというのは、

科学的に見ても、痛みやストレス、疲労の緩和に非常に有効である、

ということが言えるのではないでしょうか。

 

とはいえ、疲労やストレスはさておき、

痛みがある状態でリラクゼーションを受けることに

不安がある方もいらっしゃると思います。

 

Dr.KOMEDA Relaxation  & Fitnessでは必要に応じて

整形外科医が介入、適切な診断をしてその情報を

セラピストとも共有します。

「〇〇〇の部位は避けて」「禁忌はなし」

など、医師の知見を反映して施術致しますので、

お体に不安な点がある方は、まず併設のクリニックを受診して頂くことで

安心してリラクゼーションを受けて頂くことが可能です。

 

セラピストの熟練の技術×香りの力

是非一度、体験してみてください!

 

 

参照:

Lakhan S., Sheafer H., and Tepper D. (2016). The Effectiveness in Aromatherapy in Reducing Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis. Pain Research and Treatment. 

 

Masuo Y. et al. (2021). Smell and Stress Response in the Brain: Review of the Connection between Chemistry and Neuropharmacology. Molecules. 26, 2571.

 

Niijima A., and Nagai K. (2007). Olfactory Stimulation with Grapefruit Oil and Lavender Oil Affects Autonomic Nerves, Lipolysis and Appetite in Rat. Autonomic Neuroscience: Basic & Clinical. 135.